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第1018話

مؤلف: 宮サトリ
「僕の怪我は大したことない。薬を替えて休めば問題ないし、外出には支障はない。それに、今回はお前を抱えて走る必要もないしな」

最後の一言は明らかに冗談めかしていて、弥生は思わず彼を睨んだ。

「よくそんなことが言えるわね?」

「もういいだろ。どこか具合悪くないなら、先に少し食べるか?報告は後で見ればいい」

「......うん」

確かに少しお腹が空いていた弥生は頷いた。

瑛介はすぐに食事を用意させた。彼は弥生が最近ほとんど食欲をなくしていたことを知らなかったが、昏睡から目覚めたばかりということもあって、食べやすいものを準備していた。

弥生は気づかれたくなくて、ゆっくり食べ進めた。食欲を取り戻したとはいえ、回復には時間が必要だし、今伝えたところで彼を余計に心配させるだけだ。

やがて少しだけ満腹感を覚えると、弥生は自制してスプーンを置いた。

瑛介がすぐに手を伸ばして器を受け取った。

「もういいのか?」

弥生は頷いた。

「うん......起きたばかりだから、あまり食欲がないの。次に食べるわ」

瑛介は特に不審に思わず、頷いて使用済みの食器を下げさせた。

やがて検査結果が出た。医者によれば、弥生に大きな問題はなく、記憶喪失については薬はなく自然回復を待つしかないという。

ただ少し栄養失調気味だとのことだった。

その言葉を聞いた瞬間、瑛介の指は報告書を握りしめ、血が滲むほどに力がこもった。

かつてから華奢だった彼女の手首が、帰ってきた今はさらに細くなっている。

栄養失調?

この短期間に、一体どれだけの苦しみを受けてきたのか。

記憶を失い、栄養まで失って......

考えるほどに、瑛介の胸に怒りが渦巻いた。

くそ、弘次。

好きだと言っていたくせに、どうして彼女をこんな姿にした?

もし、自分があと一歩遅れていたら......

瑛介は奥歯を噛みしめ、拳を固く握りしめた。

弥生のもとに戻ったときには、先ほどの感情をすっかり隠していた。

彼はただ優しく外套をかけ、穏やかに声をかけた。

「車はもう用意してある......何か持っていきたい物はあるか?」

「えっと......特にないと思う」

必要なものがないのか、それとも記憶のせいで何を持っていけばいいのか分からないのか。結局、使用人が日用品を少しまとめてくれた程度だった。

その曖昧な
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